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人生の約束(映画)のネタバレあらすじと結末!中原がトップの座を明け渡す

邦画

人生の約束は池中玄太のテレビドラマを手掛けてきた、日本を代表する名監督・石橋冠がメガホンを取った作品です。

この映画のメインとなるのが、江戸時代からずっと続いてきた曳山まつり。

富山県でおこなわれている由緒正しきお祭りがテーマとなっています。

竹野内豊さんや江口洋介さん、松坂桃李さん、優香さんなどの豪華キャストに加えて、室井滋さんや美保純さん、ビートたけしさんなどの豪華脇役も見逃せない作品となっています。

監督である石橋冠がこの映画を作ったのは、御年78歳のとき。

まだまだ現役で活躍している石橋監督が、今までとは違う角度でとったヒューマン映画。色々な世代の人が物を考えることができる、素敵な作品となっています。

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映画『人生の約束』のネタバレあらすじ

あらすじ

主人公は竹野内豊さん演じる、中原祐馬という男性です。

IT企業のトップを務める超エリート男子。

プライベートよりも仕事、友人よりもビジネスを選んできた、やや冷徹な男性なのですが、とある1本の電話によって、その後の人生がガラリと変わっていきます。

その1本の電話というのは、かつての親友。

電話口に出ても何も話さず、中原祐馬の心を大きく揺さぶります。

ちなみに竹野内豊さんの部下を演じているのが、沢井卓也を演じる松坂桃李さんになります。

会社の中ではワンマンな中原祐馬に対して誰も文句が言えないのですが、唯一意見を言えるのが沢井卓也を演じる松坂桃李さん。

若さゆえに何も怖くないところが、見ていて気持ちがいいです。

かつての仕事人間だった中原祐馬は、祭りを通して地元の大切さに気付いていくようになります…。

ネタバレ

中原祐馬を動かした、秘書の存在

仕事ひと筋で頑張っている中原祐馬。

故郷や田舎に目もくれない一流ビジネスマンに見えますが、そんな彼にも「親友からの電話」という1つの転機となる出来事が訪れます。

無言電話に何かを感じ取った中原祐馬は、衝動的にふるさとを訪れるようになりますが、このときの彼を動かす、もう1つのキッカケとなっているのが、優香さん演じる大場由希子の存在です。

映画の中では恋愛感情があるようには描かれていませんが、中原祐馬は優香さん演じる大場由希子に何らかの愛情を抱いていたのではないか…と思います。

大場由希子は自分の電話にも、塩谷航平からの着信があったと言い張っているのですが、それは中原祐馬の心を故郷に向かせるための小さな嘘だったのでは…ないでしょうか。

秘書の存在が良い味を出しています。

弟を慕いすぎる兄

映画の途中には、渡辺哲也演じる江口洋介さんが現れます。

この人は親友である航平の義理のお兄さんという設定になっていて、弟への愛情は人一倍たかい様子。

かつての弟の親友であった中原祐馬が、田舎に目もくれず都会ひと筋で活動していることに不平不満をもっています。

塩谷航平は肝臓のがんでこの世を去ったのですが、義理の兄である渡辺哲也にとっては、そんなことも知らずに都会で仕事をしていた中原祐馬が、憎くて憎くて仕方がない様子。

映画の途中では、中原祐馬に対してあやまるように、きつく迫ります。

弟に対する愛情がとても強いように思える義理の兄の行動ですが、それだけでは何とも説明がつかない気が。

都会人を総まとめに、敵として見てしまう義兄のかたよった部分も見え隠れします。

中原の会社は、航平の会社

主人公の中原と親友の航平は、都会と田舎で分断された存在なように感じます。

けれども映画を見るにつれて、中原の会社は航平の力で大きくなった会社…なのだと分かるようになります。

つまり今、中原の会社が反映しているのも、陰ながら航平が支えてくれていたおかげなのです。

ちなみに主人公の中原が、富山を訪れている間に、中原の会社はまれにみる危機をむかえます。

粉飾決済が明るみに出て、東京特捜部にターゲットにされてしまうのです。

それまで順風満帆だった会社が、物語の最後にきて屋台骨がぐらつくようになります。

CEOを務めている中原にとって、この事件は相当重大な事案のはず。

けれども「大切なものが何か」気付くようになった中原は、東京に戻るのをあきらめて、地方の祭りを選ぶようになります。

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ラストの結末

この映画には、驚くような結末が待っています。

東京地検特捜部の捜査がスタートするも、東京に戻って仕事をこなす生活より、地元に残って祭りを存続させる生き方を選んだ中原。

中原は松坂桃李さん演じる沢井卓也に「あとの仕事は任せた」とCEOの任務を明け渡します。

今まであれほど仕事人間だった中原が、これほどあっさりとトップの座を明け渡すなんてびっくりです。

時間ができた中原は、富山の祭りにみごと出場することができます。

祭りのときに身に付けていた衣装は、亡き親友の航平が着ていた洋服です。

中原はインターネットに航平の想いをつづるようになります。

その後航平の娘、ひとみとの交流を深めた中原は、粉飾決済の件で逮捕。

最後のシーンでは、パトカーに乗り込むところで終わります。

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感想

「なくなってから、大切なものが何か分かる」映画の途中ではこんなコメントが登場します。

なくなるには「無くなる」の意味がありますが「人が亡くなる」という意味もかけられているような気がします。

当たり前だと思っていた人物が、もうすでに他界していると分かったとき、多くの人は心をはっとさせられるものです。

生前に語っていた言葉の意味や態度に気づかされ、胸が痛くなることもあります。

都会と田舎という2つの次元で繰り広げられる世界。

都会で生きている時間、田舎で生きている時間は、同じだけれども、どこか違う…と改めて感じさせてくれる物語です。

ラストシーンでは、中原は警察の車両につかまり、あっけなく逮捕されてしまいます。

あれほど意気揚々と仕事していた中原ですが、ボタンの掛け違いによって、人生の敗者になってしまうのです。

仕事とは何か、人生とは何か、幸せについて改めて問いかけてくれる映画だと思いました。

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